戦略の作り方③

プロダクトポートフォリオマネジメント

最後に紹介する戦略立案手法は、全社戦略の策定時にのみ使用される、あなたの参入している各事業の立ち位置を自己診断するためのフレームワークである。

 

すなわち、取り組んでいる各事業の内、一体どれが優れていて、どれが劣っているのか。

それをカテゴライズし、どの事業に重点をおいて経営戦略を練っていけばいいのかを明確化することの出来るツールである。

 

戦略作りの心構えでも述べたように、物事に優先順位をつけることは非常に重要である。


経営において

どの領域に金銭・時間コストをかけるか

その投資配分が成功を左右する。 


これを適切に行うために

事業ごとのプロダクトライフサイクルのキャッシュフローを考慮して、どの事業に重点をおけばトータルの収益が最大化するか

それを見定める目的で活用されるのが、このプロダクトポートフォリオマネジメントだ。

 

では、具体的にプロダクトポートフォリオマネジメントの全容について説明していこう。


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プロダクトポートフォリオマネジメントの実践はたった3ステップである。

 

STEP 1

市場の魅力度を縦軸、あなたの市場におけるシェア(立ち位置)を横軸にとる。

 

STEP 2

あなたの組織の各事業がどこに分類されるのかを検討する。

 

STEP 3

カテゴライズされた内容に応じて、投資優先度を決定する。

 

尚、次に示す投資優先度はあくまでも一般的な指標であり、あなたの組織の状態(大企業かベンチャー)や経済・社会環境に依存して変化すると思われる。

あくまでも参考情報として、受け取ってほしい。

 

 

【プロダクトポートフォリオマネジメントにおける投資優先度】

 

スーパースター

《投資優先度 No,1》市場の魅力度「High」× 市場のシェア「Big」

この領域にカテゴライズされた事業は絶対に死守しなければいけない事業である。

「スーパースター」を持つ組織は、大きな利益を獲得することができるが、その分それなりの対価を払わなければいけない。

何故なら、市場の魅力度が高い分、参入する競合が大変多く、熾烈な環境にあることが予想される。

この競争を勝ち抜くことは容易ではない。

よって、もし「スーパースター」を持っているのならば、必ずそこに十分な投資を回さなければならない。

そして競争を終え、後述の「金のなる木」になるまで、優位を維持しなければならない。

以上より、これが投資優先度 No,1である。

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問題児

《投資優先度 No,2》市場の魅力度「High」× 市場のシェア「Small」

この領域に分類された事業は、大きなポテンシャルを持っている。

育てば「スーパースター」へと進化する可能性を秘めており、高い利潤が得ることができるかもしれない。

しかし、「スーパースター」への道はイバラの道でもある。

多大な投資が必要になることは想像に難くない。

けれども、投資をしなければ何も生まれない。

あなたの組織の飛躍的な発展のためには、投資を無視できない事業である。

 

金のなる木

《投資優先度 No,3》市場の魅力度「Low」× 市場のシェア「Big」

ここに分類された事業は、現状維持にそれほど多くの投資を必要としない。

よって、投資優先度はそれなりに低い事業である。

市場の魅力度が低いため、参入する競合が少なく、熾烈な生き残り争いもない。

この「金のなる木」を手にした組織は、非常に安定である。

「金のなる木」を手にすることは、企業にとって理想である。

かといって、全く水をあげなければ、事業は枯れてしまう。

この領域の事業でも、必要最低限の投資は絶対に欠かしてはならない。


負け犬

《投資優先度 最下位》市場の魅力度「Low」× 市場のシェア「Small」

残念ではあるが、ここに分類された事業は、即日投資を止めるべきである。

勝ち目がなく、何も得られない戦をわざわざする必要はない。

あなたの組織にこの「負け犬」しかないのであれば、「問題児」となり得る別の事業を直ちに創出すべきである。

プロダクトポートフォリオマネジメントの一番有用な点は

この「負け犬」を簡単に洗い出せる点だ。

繰り返し述べる。

この「負け犬」事業への投資は即日止めるべきである。

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以上が、プロダクトポートフォリオマネジメントの概要である。

「投資配分の決定」は戦略立案の上で、大変重要なアクションだ。

 

ただ気をつけて欲しいのは、「市場の魅力度」について見誤らないことである。

プロダクトポートフォリオマネジメントの最重要因子は

「市場の魅力度」が高いか否か。

けれども「市場の魅力度」とは将来の社会環境を見定め、客観的に、論理的に導きださなければ正解は出ない、難しい因子である。

ここの判断は、かなりの慎重さを持って実施しなければならない。

そんな心づもりを持って、この手法を実践してほしい。


このページで学んだことを定着させるために

・プロダクトポートフォリオマネジメントの概要を覚えよう。

・プロダクトポートフォリオマネジメントを実践してみよう。

・その時には「市場の魅力度」の見定めを慎重に行おう。

・あなたの持つ各事業は、4つのどれに分類されるだろうか?

・「スーパースター」に分類される事業は、最大の投資配分にしよう。

・「負け犬」に分類される事業は、今すぐ手を引こう。

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